非常勤講師の働き方を3パターンに分けて紹介【自分にピッタリな働き方を見つけよう】

非常勤講師の働き方を3パターンに分けて紹介【自分にピッタリな働き方を見つけよう】

このサイトでは、教員や教員を目指すみなさんに非常勤講師として働くことをおすすめしています。

一方で、実際に非常勤講師として働く姿が想像つかない人も多いかもしれません。

この記事では、「非常勤講師に興味はあるけれど、実際の働き方が想像つかない」という人に向けて、非常勤講師の働き方を3パターン紹介します。

それぞれの働き方のメリットやデメリットについても解説するので、理想のライフスタイルに合った働き方を見つけてください。

非常勤講師をおすすめする理由メリット・デメリットについての記事も参考にしてください。

非常勤講師のおすすめの働き方3選

非常勤講師の働き方3選

非常勤講師の働き方は人それぞれです。

この記事では、働く時間やライフスタイル別におすすめの働き方を3パターン紹介します。

ライフスタイル別おすすめの働き方
1.最低限必要な分だけ働く
 ➡️事業や勉強をがんばりたい方におすすめ
2.扶養の範囲内で働く
 ➡️配偶者の扶養に入れる方におすすめ
3.週に20時間以上働いて社会保険に加入する
 ➡️非常勤講師をメインで考えている方におすすめ

それぞれの働き方の勤務時間や年収、社会保険の目安は以下の通りです。

1週間の勤務時間年収社会保険
1.最低限10時間前後約100万なし
2.扶養の範囲内10時間前後約100万扶養
3.週に20時間以上 20時間以上200万〜あり
※時給3,000円で年間35週働いた場合

どの働き方の場合でも高収入とは言えず、非常勤講師の収入だけで生活するのは難しいかもしれません。

1.最低限必要な分だけ働く

最低限働く

おすすめするのはこんな人

・他の仕事に力を入れたい
・資格試験に挑戦するので時間を確保したい
・大きく稼ぐ必要はないが
教員は続けたい

おすすめの1つ目は、非常勤講師の勤務を最低限にする働き方です。

将来的には他の仕事をメインにしたいと考えている人や、資格取得のためなど勉強に集中したい人におすすめです。

ただし、金銭的には最もリスクの大きい働き方になるので注意してください。

メリットデメリット
・自由な時間が多い 
・副業や勉強に集中できる           
・非常勤講師としての収入は少ない
・社会保険料の負担が大きい

非常勤講師で働く時間は週に10時間ほどに抑え、空いた時間で他の仕事や勉強にチャレンジできます。

時間的にも収入的にも非常勤講師の占める割合は小さく、教師が本業というよりは副業として教師をする形になります。

あくまでも非常勤講師はサブで考えたい人におすすめです。

「最低限必要な分だけ働く」メリット

この働き方の最大のメリットは自由な時間が多いことです。これが全てと言ってもいいかもしれません。

時間的な余裕からか、精神的にも余裕ができます。

わたしはこのメリットを生かし、家事や子どもの送り迎えをしながら、ウェブライターやブログの運営に挑戦しています。

ただし、自由な時間が多いだけに楽をしようと思えばいくらでもできてしまいます。

「最低限必要な分だけ働く」デメリット

大きなメリットのある働き方ですが、金銭的なデメリットがあります。

  • 非常勤講師の収入も最低限になる
  • 社会保険料の負担が大きい(扶養者がいない場合)

最大のデメリットは収入も最低限になってしまうことです。

仮に時給3,000円で週に10時間働くと年収は3,000円×10時間×35週で105万円ほどにしかなりません。

この働き方を選ぶ場合は、「1年分の生活費(生活防衛費)の確保」あるいは「家族や配偶者がフルタイムで働いている」などの保険がある方が安全です。

また、これまでは給料から天引きされていた社会保険料を別で支払う必要があるので、かなりの負担感があります。

住民税の請求もあるので、退職金が入っても使わずに置いておきましょう。

2.扶養の範囲内で働く

扶養内で働く

おすすめするのはこんな人

・夫婦共働きの方
・子育て中でパートやアルバイトを考えている方

2つ目は扶養の範囲内で働く働き方で、夫婦共働きで配偶者が扶養してくれる場合におすすめです。

1つ目の働き方と重なる点も多いですが、扶養に入るので税金や社会保険料の負担を最小限に抑えられます。

現時点(2023年6月)での、年収による税や社会保険料の負担状況は以下の通りです。

年収所得税社会保険料
103万円以下支払わない支払わない
103万円〜
106万円
支払う支払わない
106万円〜
130万円
支払う支払う可能性あり
130万円以上支払う支払う
参考:リクルート
※扶養者の勤め先の従業員数が101人以上の場合、年収が106万円を超えると自分で社会保険に加入する必要があります。

世帯収入に余裕がある場合や、子育てでフルタイム勤務が難しい場合には、ベストな選択肢ではないでしょうか。

小さなデメリットはありますが、メリットの方が断然大きいです。

メリットデメリット
・社会保険料の負担がない
・納税する配偶者の負担が減る
・収入が103万円以内であれば所得税がかからない
・非常勤講師としての収入は少ない 
・厚生年金には加入できない      

重要なのは扶養に入ることなので、働く自治体の時間給から考えて週に何時間まで働けるかを計算してください。

例:1年間の勤務が35週で週に10時間勤務、時給3,000円であれば

年収=時間給3,000円✖️週の勤務時間10時間✖️35週=105万円となります。

「扶養の範囲内で働く」メリット

扶養の範囲内で働くメリットは次の通りです。

  • 社会保険料の負担がない
  • 収入が103万円以内であれば所得税もかからない
  • 納税する配偶者の負担が減る可能性がある

扶養の範囲内で働くので社会保険料の負担はありません。

収入が103万円以内であれば所得税もかからないので、税金や社会保険料の面では最も無駄のない働き方といえるかもしれません。

また、納税する配偶者の負担が減る可能性があるのもメリットと言えるでしょう。

非常勤講師の収入や配偶者の収入にもよりますが、配偶者控除や配偶者特別控除を受けられる可能性があります。

控除を受ける人は忘れずに手続きをしてください。

「扶養の範囲内で働く」デメリット

あえてデメリットを挙げるとすれば、以下の2点です。

  • 収入は少ない
  • 厚生年金には加入できない

扶養の範囲内(106万円か130万円)の上限があるので、年収としては少なくなってしまいます。

また、被扶養者の年金は国民年金なので、厚生年金に加入する場合と比べると将来受け取れる年金は少ないです。

ただし、メリットにもあるように社会保険料の負担がないので、支出を最小限に抑えられます。

3.週に20時間以上働いて社会保険に加入する

週20時間以上働いて社会保険に加入する

おすすめするのはこんな人

・フルタイムの教員は辞めたいが、ある程度の収入は欲しい
・勤務先で社会保険に加入したい
・隙間時間で副業をしたい

3つ目は、週に20時間以上働いて社会保険に加入する働き方で、非常勤講師をメインに考えている人におすすめです。

社会保険に加入でき、フルタイムに比べると勤務時間も短いのでバランスが良い働き方です。

ただし、子育てや他の仕事との両立になると、思っているより時間はありません。

メリット デメリット
・期末手当がもらえる
・勤務先で社会保険に加入できる
・自由な時間が減る
・配偶者の扶養には入れない

働く時間が長い分収入が増えるのは当然ですが、社会保険に加入できたり、期末手当がもらえたりするメリットも大きいです。

「週に20時間以上働いて社会保険に加入する」メリット

非常勤講師で週に20時間以上働くメリットは以下の2点です。

  • 期末手当が出る
  • 勤務先で社会保険に加入できる

1つ目のメリットは、年2回の期末手当がもらえることです。

ただし、いくつかの条件があります。

・当該年度における任期が6ヶ月以上
・任用期間の週あたりの勤務時間が15時間30分以上
・基準日に在籍している(6/1・12/1)

支給額は年間で2〜3ヶ月分程度の自治体が多いので、年間数十万円の支給になります。

2つ目のメリットは、勤務先で社会保険に加入できることです。

週に20時間以上の任用期間が2月を越える場合、健康保険は公立学校共済組合、年金制度は厚生年金が適用されます。

期末手当が支給され、社会保険に加入できるので、単純に勤務時間が増える以上に金銭的なメリットは大きいです。

「週に20時間以上働いて社会保険に加入する」デメリット

一方で、デメリットもあります。

  • 自由な時間はそれほど多くない
  • 配偶者の扶養には入れない

週に20時間勤務で授業以外の雑務がないことを考えると、フルタイムに比べると余裕があります。

一方で、状況によってはあまり余裕が感じられないかもしれません。

わたしの場合で考えてみましょう。非常勤講師以外にしていることを挙げてみます。

  • 家事全般(妻もできるものはしてくれます)
  • 子どもの送り迎え
  • ウェブライターの仕事
  • ブログ執筆

もし午前中に毎日4時間勤務すると、8時30分から12時30分が勤務時間です。

通勤時間も含めるとだいたい8時から13時の間は拘束されます。

残りの時間で、上に挙げた家事や仕事を両立させるのはかなり厳しいでしょう。

収入的に配偶者の扶養に入るのも難しいです。

もちろん、週に20時間以上働く方が家族は安心できるかもしれません。

どの働き方にしても、時短家電の導入や子どもが寝ている時間の活用など、時間を有効に使う工夫が必要だと感じます。

まとめ:自分にどの働き方が合っているかが重要

人それぞれライフスタイルや家庭の状況は違うので、働き方に正解はありません。

1.最低限必要な分だけ働く
2.扶養の範囲内で働く
3.週に20時間以上働いて社会保険に加入する

その時の状況によって働き方を変えるのもいいでしょう。

わたしも個人事業がうまくいかなければ、来年は非常勤講師の時間を増やしているかもしれません。

もちろんフルタイムに戻らなくていいように日々がんばっています。

状況に応じて柔軟に働き方を変えられるのも、非常勤講師の良いところではないでしょうか。