非常勤講師の待遇や勤務条件比較まとめ【自治体別】

非常勤講師の待遇や勤務条件比較まとめ【自治体別】

一口に非常勤講師(会計年度任用職員)といっても、校種や職種によって条件はさまざまで、自治体によっても待遇は変わります。

住んでいる場所よりも、近隣の自治体の方が条件が良い場合もあるかもしれません。

そこで、この記事では以下の条件で自治体ごとに非常勤講師の勤務条件や待遇を調べました。

  • 公立の小学校、中学校の非常勤講師
  • 授業を受け持つ職種で比較
  • 各都道府県、政令指定都市(一部その他の自治体)ごとの待遇を調査

地域や自治体によって多少違いはあるものの、時給は2,500円から3,000円前後、勤務時間は週に29時間以内とする自治体が多かったです。

気になる自治体がある方は、募集があるかどうかも含めて1度問い合わせてみてください。

非常勤講師の自治体ごとの勤務条件

非常勤講師の勤務条件は、自治体ごとに変わらないものもあれば、時間給のように自治体によって違うものもあります。

また、ホームページが応募する人に不親切だったり、人材バンクに登録しないと勤務条件の詳細が分からなかったりする場合もあるので注意してください。

自治体ごとに変わる勤務条件と変わらない勤務条件

勤務条件や待遇には、「自治体に関わらず共通している条件」と「自治体によって違う条件」があります。

自治体に関わらず共通している自治体によって違う         
・社会保険の加入条件
・最長任用期間
・服務
・副業の可否
・時間給
・週あたりの勤務時間
・副業の報告義務

・講師の登録方法

自治体で共通の条件は任用期間や社会保険、服務に関するものなどで会計年度任用職員に共通した条件です。

一方で、時間給や勤務時間などの条件は自治体や職種によって変わります。

この記事では、後者の自治体によって違う条件を調べて比較しました。

勤務条件の調べ方と結果

勤務条件を調べるには、それぞれの教育委員会のホームページを順に見ていくしかありません。

比較した点

・1時間(1コマ)当たりの報酬(給料)
・1週間の勤務時間
・副業の報告義務があるかどうか

不親切なホームページの多さに心が折れそうになりながら、1時間当たりの報酬や勤務時間をまとめました。

もっと簡単に調べられると思ったのに……

全体の結果をまとめると次の通りです。

  • 時給は2,500円〜3,000円の間の自治体が圧倒的に多い。
  • 勤務時間は週に29時間以内の自治体が多いが、20時間以内や15時間程度のように短めに設定しているところもある。
  • 副業の報告について明記している自治体は少ないが、東京都や神奈川県など届出を必要としている自治体もある。

教育委員会のホームページを調べて分かったこと

多くの自治体ホームページを実際に調べてみて、分かったこともあります。

  • 「○○県 非常勤講師 給料」などで検索してもすぐに情報が出てこない。
  • 自治体によって募集ページの力の入れ具合に差がある。
  • 募集をしているのに勤務条件をのせていない自治体がある。

まず、検索しても非常勤講師の勤務条件がすぐに分からない自治体が多いです。

検索すると講師登録のページにはアクセスできますが、登録用紙や人材バンクの案内までしかたどり着けない自治体もあります。

また、募集ページの完成度もピンキリで、すっきりとして見やすい自治体もあれば、そうでない自治体もちらほら……。

中には詳しい勤務条件は問い合わせをしないと分からない自治体もありました。

募集をかける以上は、ホームページ上で勤務条件も分かるようにしてほしいところです。

【非常勤講師】自治体ごとの勤務条件比較表【2023年4月現在】

ここからは、地方ごとに実際に調べた結果を比較表にして紹介します。

情報は日々更新されるので、最新の情報は各教育委員会のHPで確認してください。

北海道・東北地方の非常勤講師の勤務条件

北海道・東北地方では、宮城県の時間給3,360円が周辺自治体に比べて高いです。

一方で岩手県や仙台市は詳しい勤務条件を見つけることができませんでした。

自治体時間給週の勤務時間副業の届出や報告リンク
北海道2,800円15時間程度北海道教育委員会
札幌市2,884円札幌市教育委員会
青森県2,820円29時間以内青森県教育委員会
岩手県岩手県教育委員会
宮城県3,360円正規職員の3/4以内(29時間以内)宮城県教育委員会
仙台市仙台市教育委員会
秋田県2,455円〜2,694円秋田県教育委員会
秋田県教職員組合臨時採用教職員部
山形県1,500円〜2,680山形県教育委員会
福島県2,590円(令和4年度)福島県教育委員会
※公立小・中学校の非常勤講師で比較しています。
※同じ都道府県でも市町村や地域ごとに条件がちがう場合があります。

関東地方の非常勤講師の勤務条件

関東地方は時間給をきちんと明記している自治体が多く、職種や経験によって時間給に差をつけているところも多いです。

副業の届出や報告の義務を明記している自治体が多いのも、関東地方の特徴です。

自治体時間給週の勤務時間副業の届出や報告リンク
茨城県2,870円または1,750円茨城県教育委員会
栃木県1,500円〜2,620円職種による栃木県教育委員会
群馬県群馬県教育委員会
埼玉県2,427円20時間以内(発令が1年間の場合)埼玉県教育委員会
さいたま市2,871円(小、中、特支)さいたま市教育委員会
千葉県2,850円など
職種による
千葉県教育委員会
千葉市1,567円〜2,927円29時間以内千葉市教育委員会
東京都1,880円〜3,360円
(経験による)
26時間以内必要東京都教育委員会
神奈川県2,290円〜2,525円29時間以内必要神奈川県教育委員会
横浜市2,548円29時間以内横浜市教育委員会
川崎市2,556円必要川崎市教育委員会
相模原市2,300円週5日、1日6時間以内相模原市教育委員会
※公立小・中学校の非常勤講師で比較しています。
※同じ都道府県でも市町村や地域ごとに条件がちがう場合があります。

中部地方の非常勤講師の勤務条件

中部地方の自治体の時間給は、2,800円台のところが多いです。

詳しい勤務条件を記載していない自治体も多く、静岡県は静岡市や浜松市も含めて勤務条件が分かりませんでした。

自治体時間給週の勤務時間副業の届出や報告リンク
新潟県2,180円〜2,460円種別による新潟県教育委員会
新潟市新潟市教育委員会
富山県2,810円〜2,894円富山県教育委員会
石川県石川県教育委員会
福井県2,800円福井県教育委員会
山梨県2,820円(R4年度)20時間以内山梨県教育委員会
長野県2,820円(R4年度)長野県教育委員
岐阜県2,810円
2,580円
29時間以内岐阜県教育委員会
静岡県人材バンクに登録して確認静岡県教育委員会
静岡市静岡市教育委員会
浜松市浜松市教育委員会
愛知県2,820円20時間以内愛知県教育委員会
名古屋市2,829円29時間以内名古屋市教育委員会
※公立小・中学校の非常勤講師で比較しています。
※同じ都道府県でも市町村や地域ごとに条件がちがう場合があります。

近畿地方の非常勤講師の勤務条件

近畿地方では、時間給で2,800円前後の自治体がほとんどでしたが、京都は特殊な計算方法で計算します。

神戸市や奈良県は情報が見つかりませんでした。

自治体時間給週の勤務時間副業の届出や報告リンク
三重県2,710円〜2,980円(菰野町)18時間以内必要三重県教育委員会
滋賀県2,760円
(リクナビ参照)
滋賀県教育委員会
京都府週10時間で月額72,500円
(時給1,800円)
必要京都府教育委員会
京都市7,232円×週当たり勤務時間数(月額)京都市教育委員会
大阪府2,880円大阪府教育委員会
大阪市2,890円大阪市教育委員会
堺市2,870円29時間以内堺市教育委員会
豊能地区2,880円豊能地区教職員人時協議会
兵庫県2,820円
(阪神教育事務所)
兵庫県教育委員会
神戸市神戸市教育委員会
奈良県奈良県教育委員会
奈良市2,470円19時間以内奈良市教育委員会
和歌山県2,553円〜3,059円
2,468円〜2,957円
和歌山県教育委員会
※公立小・中学校の非常勤講師で比較しています。
※同じ都道府県でも市町村や地域ごとに条件がちがう場合があります。

中国・四国地方の非常勤講師の勤務条件

徳島県の時間給3,400円や高知県の2,800円〜3,600円は、全自治体の中でもかなり高い方です。

一方でそれ以外の自治体は2,600円台が多く、全体として高いわけではありません。

自治体時間給週の勤務時間副業の届出や報告リンク
鳥取県1,700円
2,650円
必要鳥取県教育委員会
島根県2,630円鳥取県教育委員会
岡山県2,660円30時間未満必要岡山県教育委員会
岡山市2,801円岡山市教育委員会
広島県2,670円広島県教育委員会
広島市広島市教育委員会
山口県山口県教育委員会
徳島県3,400円徳島県教育委員会
香川県30時間、20時間、15時間香川県教育委員会
愛媛県2時間で5,600円愛媛県教育委員会
高知県2,800円〜3,600円高知県教育委員会
※公立小・中学校の非常勤講師で比較しています。
※同じ都道府県でも市町村や地域ごとに条件がちがう場合があります。

九州沖縄地方の非常勤講師の勤務条件

九州沖縄地方では、福岡県の時間給の低さが目立ちます。

全国的に見ても異例の低さなので、何か理由があるのかもしれません。

自治体時間給週の勤務時間副業の届出や報告リンク
福岡県1,633円〜2,217円福岡県教育委員会
北九州市1,200円〜1,600円北九州市教育委員会
福岡市1.5時間で2,020円〜2,330円27時間30分以内福岡市教育委員会
佐賀県佐賀県教育委員会
長崎県2,800円週24時間が限度長崎県教育委員会
熊本県熊本県教育委員会
熊本市2,860円熊本市教育委員会
大分県面接で説明大分県教育委員会
宮崎県宮崎県教育委員会
宮崎市2,725円15時間以内宮崎市教育委員会
鹿児島県2,820円鹿児島県教育委員会
沖縄県沖縄県教育委員会
※公立小・中学校の非常勤講師で比較しています。
※同じ都道府県でも市町村や地域ごとに条件がちがう場合があります。

地方ごとの勤務条件を調べた結果

自治体によって時間給や勤務時間には違いがあることが分かりました。

近隣の自治体とは似た条件の場合が多いですが、明らかに周りと違う自治体もあります。

ただし、あくまでも今回の比較は記載されている時間給のみでの比較です。

実際の報酬額には、期末手当など他の要因が関わることもあるので注意してください。

まとめ:非常勤講師の勤務条件は自治体ごとに差があるが、条件的には恵まれている。

自治体ごとに非常勤講師の勤務条件を比較した結果、次のことが分かりました。

  • 時給は2,500円〜3,000円の間の自治体が多い。
  • 勤務時間は週に29時間以内とする自治体が多かったが、20時間以内や15時間程度のところもある。
  • 副業の報告については明記している自治体が少なかったが、届出や報告を必要としている自治体もある。

勤務時間が少ないのはデメリットかもしれませんが、アルバイトやパートと考えると時給は高い方でしょう。

非常勤講師の勤務条件に魅力を感じた方は、ぜひ近くの自治体で講師登録してみてください!